2008年07月03日
ブランドを悪用された「日本一の生産地」の困惑
「魚秀」と「神港魚類」によるウナギ産地偽装で、ブランドを悪用された愛知県の一色町が困惑している。市町村単位では日本一のウナギ出荷量を誇る名産地だが、当の一色町の漁協「一色うなぎ漁業協同組合」でも、今月中旬、偽装が判明していたからだ。
今年1月から4月にかけ、同漁協が台湾の養殖ウナギを埼玉の輸入業者から購入し、その業者の産地証明書の偽装に気付かず、「一色産」「国産」などとして出荷していたのだ。この一件で、組合長が「消費者に迷惑をかけ、深くおわびする」と謝罪したばかりだった。
それから10日もたたないうちに、今度の「魚秀」「神港魚類」による偽装である。町役場の担当者も頭を抱える。
「漁協がやったことについては本当にご迷惑をおかけしました。メールや電話での問い合わせ、抗議もありました。でも、今度の件は、なんと言ったらいいか、困惑しているというしかありません」
漁協関係者も「前のことは謝るしかありません。今は産地証明書をきちんとつけて履歴をはっきりさせています」と、一色ブランドの“名誉回復”に必死の様子。
伊勢湾台風(1959年)の被害復旧対策などを契機に伸びてきた一色町のウナギ養殖。最盛期には年間9100トン(91年)あったウナギ生産量は06年には5740トンと6割強まで減っている。安い中国産に押されたのだろうか。その中国産で起きた偽装騒ぎで、関東ではなじみのなかった「一色」ブランドが有名になったのは、なんとも皮肉な結果だ。
【2008年6月30日掲載記事】
[ 2008年7月3日10時00分 ]





