2008年10月02日
“特ダネ”で大混乱…一橋大「観光MBA」の真相
発端となった記事は、9月21日付「大学院に『観光MBA』、経産省と一橋大が連携し開設」(読売新聞)、同28日付「一橋大、『観光MBA』09年4月から新課程」(日経新聞)。いずれも、経済産業省と連携した一橋大が、同大学院商学研究科内に日本初、観光に特化したMBAコースを開設したと報じた。
記事の反響は大きく、業界関係者や観光業を志す学生らの問い合わせが相次いだため、大学側は「本学としてそのようなコースを設置する予定はありません」と、公式ホームページで否定した。
同大商学部長・商学研究科長の山内弘隆氏の見解はこうだ。
【従来コースの一部】
「私どもは来年度、JR東日本やJTBなどの協力で『サービスマネジメント』『ホスピタリティマネジメント』の授業を計画しておりますが、従来のMBAコース、つまり通常の経営学修士課程の一部にすぎません。無論、新たな『観光MBA』といった計画は一切ありません」
続けて山内氏は「経産省も人材育成に注力し予算化していますが、いずれを修了しても通常のMBA以外は得られない。関連業界に従事している方を対象とした人材育成のためのコンソーシアム(=共同事業体)」と説明する。
幻となった『観光MBA』に業界関係者の落胆は大きい。観光ジャーナリストの千葉千枝子氏は「近年のブームを受け(大学の)観光学部などの設置が増えましたが、この取り組みが事実なら、観光業界の相対的地位向上につながると期待していただけに、非常に残念です」と話す。
夕刊フジの取材に、読売新聞社広報部は「当社の報道に問題はないと考えております」、日本経済新聞社広報グループも「関係者に必要な取材をしたうえで記事にしました」とコメントしている。




